これはサルモール・マルカルス支部に配属となった新人兵士のなりきりRPストーリーである。
※構成上、一部シナリオのねつ造があります。
過去の話についてはタグよりどうぞ→サルモール兵士日記
石の町マルカルス。私はここの宿屋「シルバーブラッド」に下宿している。
「マルカルスには血と銀が流れている」と言われるほど、この町ではシルバーブラッドという名を良く見聞きする。
どうやら、この町を牛耳っているのが、シルバーブラッドという名の一族らしく、その名にあやかっているらしい。
宿屋すらその名を称え権力を象徴してる割には、ここで出される酒は薄く、宿屋の夫婦は仲が悪く、朝から暴言が飛び交っているような品のない店であった。
しょせんゴロツキ経営の三流INN。
早く出世して石のタワーマンションに住みたいものだよ。
この惨めな宿屋の唯一の救いといえば、ここのホロキという娘が、なかなか愛想がよく、そこそこ美しいことだった。
彼女のおかげで石のベッドも今のところ耐えられる。
ホウキではないホロキ。
君の健やかな成長を願っているよ。母親のような卑屈な大人にはなるんじゃないぞ。
娘の笑顔を見て、さあ!今日も打倒タロス!!と、やる気に燃えてアンダーストーン砦に出勤する朝の出来事。
男とマルカルス市警がやり合っていた。
近くで女が刺されたとか・・・朝っぱらから何て物騒な。どうせ男女関係のもつれだろう。カッとなってやったに違いない。
まったく。これだから人間は野蛮で嫌いだ。おっと、ホロキ以外はね!
広場で大乱闘の末、男は「フォースウォーン」と叫びながら市警隊の剣に倒れた。
たしか、このリーチ地方の原住民がそう呼ばれていると、マルカルスガイドで読んだっけな。
エルトリス:「これを落とさなかったかい?・・・落としたろ?」
眉をひそめて市警隊が後始末を始めるのを見ている時である。1人の市民がこちらに近付いてきたのだ。
顔面タトゥー?とかお前もヤバイだろと思いつつ、爽やかに話しかけてきた青年は、一枚の紙切れを差し出した。
おっと、もしやサルモール社員証を落としちゃったかな!その通り大事な物なんだ。どうもありがとう。
見かけによらず親切だなと、私は手渡された紙を確認した。
何だこれは?!
社員証ではない。謎の手紙だ。
さらに確認したが社員証は手元にちゃんとある。
(ちなみに、サルモールに入団すると社員証みたいなのが本当にもらえます)
顔面タトゥー青年の姿はすでになく。
私は一瞬固まり、見ず知らずの男からこのような手紙を渡される意図を考えずにはいられなかった。
「タロスの祠で会ってくれ。」
「タロスの祠で会ってくれ。」
「タロスの祠で・・・」
私は反芻した。
すると、何だろうか・・・まるで「放課後会ってください」みたいな甘酸っぱい青春の1ページ的な文章に思えてきた。
これは何か甘酸っぱい告白をされると思っても良いのだろうか?!
例えば「好きです先輩付き合って下さい」的なアレとか。
だが、マルカルスに来たばかりで後輩もいない私に、誰が告白をするというのだろう?
待てよ?まさか・・・!
宿屋の娘、ホロキじゃないのか?!
接点があるとしたら彼女くらいしか思い当たらない。
よそ者の私に愛想良くしてたのは、この私に気があるから・・・と考えれば合点がいくではないか?
人知れず告白をしようと顔面タトゥーな男友達の手を借り、私を呼び出そうとしたとか、あの年頃の娘なら使いそうな青春の一手だ。
ほんの少しだけ心臓がトクゥン♥ときた。・・・ほんの少しだけだぞ!
だがしかし、よりによって何故「タロスの祠で」なのだ!?
大体、サルモール支部のあるマルカルスに、タロスの祠などあるのだろうか?
ああ、娘は私がサルモール兵士だとは知らないんだ。無理もない。まだロクに会話をしたこともないしな。
つまり、一目惚れ?・・・私も捨てたもんじゃない。ムフ。
私は手紙を懐にしまい込み、アンダーストーン砦へと歩みを進めた。
スキップしていたかもしれない。
この大馬鹿な勘違いのせいで、とんでもない事件に巻き込まれるとも知らずに。
→第5話へつづく
※構成上、一部シナリオのねつ造があります。
過去の話についてはタグよりどうぞ→サルモール兵士日記
石の町マルカルス。私はここの宿屋「シルバーブラッド」に下宿している。
「マルカルスには血と銀が流れている」と言われるほど、この町ではシルバーブラッドという名を良く見聞きする。
どうやら、この町を牛耳っているのが、シルバーブラッドという名の一族らしく、その名にあやかっているらしい。
宿屋すらその名を称え権力を象徴してる割には、ここで出される酒は薄く、宿屋の夫婦は仲が悪く、朝から暴言が飛び交っているような品のない店であった。
しょせんゴロツキ経営の三流INN。
早く出世して石のタワーマンションに住みたいものだよ。
この惨めな宿屋の唯一の救いといえば、ここのホロキという娘が、なかなか愛想がよく、そこそこ美しいことだった。
彼女のおかげで石のベッドも今のところ耐えられる。
ホウキではないホロキ。
君の健やかな成長を願っているよ。母親のような卑屈な大人にはなるんじゃないぞ。
娘の笑顔を見て、さあ!今日も打倒タロス!!と、やる気に燃えてアンダーストーン砦に出勤する朝の出来事。
男とマルカルス市警がやり合っていた。
近くで女が刺されたとか・・・朝っぱらから何て物騒な。どうせ男女関係のもつれだろう。カッとなってやったに違いない。
まったく。これだから人間は野蛮で嫌いだ。おっと、ホロキ以外はね!
広場で大乱闘の末、男は「フォースウォーン」と叫びながら市警隊の剣に倒れた。
たしか、このリーチ地方の原住民がそう呼ばれていると、マルカルスガイドで読んだっけな。
エルトリス:「これを落とさなかったかい?・・・落としたろ?」
眉をひそめて市警隊が後始末を始めるのを見ている時である。1人の市民がこちらに近付いてきたのだ。
顔面タトゥー?とかお前もヤバイだろと思いつつ、爽やかに話しかけてきた青年は、一枚の紙切れを差し出した。
おっと、もしやサルモール社員証を落としちゃったかな!その通り大事な物なんだ。どうもありがとう。
見かけによらず親切だなと、私は手渡された紙を確認した。
何だこれは?!
社員証ではない。謎の手紙だ。
さらに確認したが社員証は手元にちゃんとある。
(ちなみに、サルモールに入団すると社員証みたいなのが本当にもらえます)
顔面タトゥー青年の姿はすでになく。
私は一瞬固まり、見ず知らずの男からこのような手紙を渡される意図を考えずにはいられなかった。
「タロスの祠で会ってくれ。」
「タロスの祠で会ってくれ。」
「タロスの祠で・・・」
私は反芻した。
すると、何だろうか・・・まるで「放課後会ってください」みたいな甘酸っぱい青春の1ページ的な文章に思えてきた。
これは何か甘酸っぱい告白をされると思っても良いのだろうか?!
例えば「好きです先輩付き合って下さい」的なアレとか。
だが、マルカルスに来たばかりで後輩もいない私に、誰が告白をするというのだろう?
待てよ?まさか・・・!
宿屋の娘、ホロキじゃないのか?!
接点があるとしたら彼女くらいしか思い当たらない。
よそ者の私に愛想良くしてたのは、この私に気があるから・・・と考えれば合点がいくではないか?
人知れず告白をしようと顔面タトゥーな男友達の手を借り、私を呼び出そうとしたとか、あの年頃の娘なら使いそうな青春の一手だ。
ほんの少しだけ心臓がトクゥン♥ときた。・・・ほんの少しだけだぞ!
だがしかし、よりによって何故「タロスの祠で」なのだ!?
大体、サルモール支部のあるマルカルスに、タロスの祠などあるのだろうか?
ああ、娘は私がサルモール兵士だとは知らないんだ。無理もない。まだロクに会話をしたこともないしな。
つまり、一目惚れ?・・・私も捨てたもんじゃない。ムフ。
私は手紙を懐にしまい込み、アンダーストーン砦へと歩みを進めた。
スキップしていたかもしれない。
この大馬鹿な勘違いのせいで、とんでもない事件に巻き込まれるとも知らずに。
→第5話へつづく