第2話 私はイヌ、主人はオンドルマール様

これは、ちょっとMっぽいハイエルフの、サルモール兵士なりきりRPストーリーである。

第1話はこちら



念願のサルモールになった私ことルマンドは、支給された真新しい黄金鎧(制服)に身を包み、借り上げた馬(社用車)で初陣を飾る。

新人にも十分な装備を与えてくれるサルモールはさすが一流だ。



私の勤務地はマルカルスに決まった。

ここアンダーストーン砦にいるオンドルマール卿が、私の上司となる人物だと人事部から聞かされている。

どんな方かな?先輩は優しいといいな?
初出勤の本日は、とにかくドキドキであった。



広大なドワーフ建築の石城の中にあっても、その人物を見つけるのは簡単だった。

なぜなら、超目立っていたからだ。
そのへんをぶらついてるノルド共とは明らかにオーラが違う!

漆黒の中に輝く金縁のローブを身にまとい、黄金の親衛隊を率いて闊歩する偉そうな勇ましいその姿には、周囲を圧倒する存在感があった!
見るからに高貴!これぞまさしくサルモール!!

ああ!私をその隊列の後ろに加えていただけませんか?


私は畏怖の念にも似た緊張に包まれ、おずおずと歩み寄った。
その動きは不審だったかもしれないが、さすがにこのエルフの鎧が身分を証明してくれたようで、彼の方から声をかけてくれた。

「本部から話は聞いている。ようこそアンダーストーン砦へ。オンドルマールだ。よろしくな」

なんと恐れ多い!
私は、目を輝かせ彼を見上げていたに違いない。顔を赤らめていたかもしれない。
少々上ずった声で自己紹介をした。

そんな浮かれ調子の田舎者まる出しの私を一喝するように、彼は言ったのだ。


なんてこった!マウントの取り方も最高じゃねーか!!
ええ、そうです!私はあなたのイヌでかまいません!!
むしろ、イヌになりたくて来たんだから!いや、えっと、身に余る光栄です!

オンドルマール:「そ、そうか・・・。まあ、そう緊張するな。一介の兵士でも手柄を立てさえすれば、十分重用され昇進も可能だ。ただし結果を出さない者には惨めな仕置きしかないからな」

サルモールは下克上、アメとムチの社会なのである。新人にも高待遇な裏にはこういう訳があった。
けしてブラック企業ではないと思いたい。


オンドルマール:「しかし首長は、彼を拘束することに及び腰なんだ。彼の家に侵入して証拠を見つけてくれないか?もちろん隠密行動でな」

侵入して・・・盗んでこいってことスかね?
あのぉ、そんな泥棒みたいなことで証拠をつかんでも良いんでしょうか?

オンドルマール:「盗めとは誰も言っていない。証拠を見つけろと言ったのだ。オグマンドの有罪が確定してしまえば、証拠の入手経路など誰も気にとめはしない。わかるな?」


ああ、そうか。空気読めってことスね?
サルモールに入団するためにホワイトランでタロス信者を殺ってきたばかりの私が、モラルなど問える立場ではございませんでした。

では行って参ります!ご主人様、いや、オンドルマール様!!


私は猟犬のごとく意気揚々と町へと飛び出した。

待ってろよタロス!今捕まえてやるからなっ!

→第3話につづく

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